2つのドキュメンタリー

ちょっと長くなったが、
良かったら最後まで読んで欲しい。

ロサンゼルス コダックシアターで開かれた
『第82回アカデミー賞』
今回は正直、考えさせられた。。。。
注目は 『アバター』 vs 『ハート・ロッカー』 の元夫婦対決だったが、
一方で、『 The Cove 』が長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
いや、してしまったと表現すべきか。。。。

『 The Cove 』は、
約400年前の江戸時代から続く、日本の古式捕鯨発祥の地と知られる、
和歌山県太地町の入り江で受け継がれてきた、
毎年9月に行われている『 イルカの追い込み漁 』を
描いたドキュメンタリー映画。

その漁の残酷さを強調した作品だ。

考えさせられた。。。。という理由は
この映画の完成度の高さから、
薄れてしまう現実的な幾つかの問題点だ。

撮影方法 
24時間警備体制の立ち入り禁止区域に、
製作スタッフが無断で潜入。
ハリウッドの特撮用小道具を作る職人に依頼し、
カメラを模型の岩の内部に隠す。
カメラは遠隔操作。
それを仕掛けるために、世界一の高層ビルを登頂した冒険家を起用。
また、イルカの悲鳴を録音する水中マイクの設置に、
素潜り世界記録保持者の夫婦が参加。
深夜、軍事用の暗視ゴーグルを使いその入り江に潜入。。。
まるでこの過程は映画『ミッション・インポッシブル』や『007』のようで、
アクション映画級の、ドラマチックなストーリー展開と
サスペンス映画さながらの緊張感ある演出は、
観るものを釘付けにしてしまう。

しかし冷静に考えるとこれらは盗撮ではないか?

イルカ達が悲鳴を上げる中、彼等を追い込み、
漁をする人たちの姿や、彼等の血で染まった真っ赤な海に、
思わず胸が苦しくなり、目を背けたくなる程の、
ドキュメンタリーならではのリアルな臨場感。
また、太地町としては撮影を拒否していたため、
撮影中止を求める地元住民達の猛烈な抗議の模様も
さらに緊迫感を与えてた。

作品は隠し撮りにとどまらず、
撮影拒否した地元住民達の顔を正面から映し、
スクリーン上でそれらを流している。

これって名誉棄損と肖像権の侵害なのでは?
*日本上映には“ボカシ”が入るようだが。。。。

それら以外にもイルカ肉の『商品偽装』、
イルカ自身の『水銀汚染』
彼等漁師達の事を『ジャパニーズマフィア』などいう表現・・・・

『 伝統的な食文化への一方的な中傷 』という批判も強く、
今後、各方面で議論を呼ぶだろう。。。

ルイ・シホヨス監督は
『 日本のみなさん、映画を見てください。
私にとって本当の意味での賞は、
イルカ漁がやめられ、イルカが解放される日 』とコメントを発表。
また、『 この映画は日本の皆さんに送るラブレターだ 』と。。。

そもそも日本は捕鯨という狩猟文化のある国。
しかし、鯨肉が貴重なタンパク源であり、
鯨油が生活の糧であった時代とは違い、
現在は捕鯨は単なる『 伝統 』に過ぎなくなってきている。  

伝統=継承していくものという考え方は確かに有る。
しかし、時代の流れや生活環境の変化と共に、
伝統という形そのもの自体が変化して当然だと思う。
自分はこれを『 進化する伝統 』と呼んでいる。

本作では変わらぬ伝統を『 守りたい 』とする側と
イルカを『 守りたい 』とする側の相反する考えが交錯している。

この映画を通して自分は、どちらか一方に加担する気はないが、
はっきりと感じるのは、『 漁 』と『 虐待 』は全く別ものだと。
豚、牛、鳥、はたまたカンガルーや犬を食する文化もある。
彼等の文化を、自分達の一方的な目線で否定は出来ない。
この映画は、その『 どちら側 』ともはっきりとは言えない人々にとって、
冷静に考える機会を与えるべき映画であって欲しい。

しかし繰り返しになってしまうが、
銛で刺されて悲鳴をあげ、のたうちまわるイルカと
その血で真っ赤に染まった入り江を目撃してしまったら、、、
流石に冷静さを失い、後味の悪い残酷さだけを憶えてしまう。。。。
太地町の方々の名誉の為にも、
感情に左右されず、冷静な判断が出来る方以外には、
勧めたく無い映画である。
また、この映画が賞を受賞してしまうとは。。。。
考えさせられる。
http://www.youtube.com/watch?v=OYKNCN1ESZM

それとは別で、是非見て欲しい映画がある。
『 The End of the Line 』

人類の飽食と漁業技術の発達を理由に
2048年には、現在食されているほとんどの魚類が
絶滅の危機に瀕すると。

『乱獲』という事実に向き合い、
人類に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画。
先の『 The Cove 』とは良くも悪くも全く質がことなる。
本編が素晴らしいのは、それら原因を指摘し、
我々に対し今出来ることも示している。

バランスのとれたの消費、
回復のための保護など。。。。

是非

映画の中から

THEY ARE THE ONLY OCEANS WE HAVE 
私たちにはこの海しかない  

THEY HAVE BEEN EVOLVING FOR BILLIONS OF YEARS 
海は何十億年もの間、進化し繁栄して来た  

THEY ARE ESSENTIAL FOR LIFE ON EARTH 
海は地球の生命にとってなくてはならないものだ  

SO WHO IS LOOKING AFTER THEM FOR US? 
その海を見守っているものはいるのか? 

IN 2000 A GROUP OF PEOPLE SET OUT ON A JOURNEY OF DISCOVERY 
2000年、あるグループが発見の旅に出た  

TO QUESTION WHAT HAD BEEN HAPPENING TO THE WORLD’S OCEANS
 一体この海に何が起こっているのかを見つける旅に 

 “To loose these species, what does it mean for us? what does it mean for our society?” 
「もし海洋生物がいなくなったら、それが私たちに意味するものは?私たちの社会に意味するものは?」 

 “What is that tuna you serve? Which ocean was it from, and how was it caught? 
“ レストランに聞く「お宅で出しているまぐろは、どこでどうやって捕れたものですか?」

  “If you take those curves they are dropping, when is it going to hit zero?” 
「海洋生物の数を示すグラフは下降をたどっている。ゼロに達するのはいつなのだ?」 

 “At one level, it’s a question of how bad is it?” 
「海の状態が良くないことは明瞭だ。一体どのくらい酷いのか?」 

 WHAT THEY UNCOVERED WAS MORE SHOCKING THAN THEY EVER IMAGINED 
彼らが明らかにした事柄は、想像以上にショッキングだった 

 “Send shiver down my spine..” 
乱獲の情景を見て「背筋が寒くなった」 

 “We have reached the limits what the ocean is capable of providing.”
 「私たちの需要は、海が供給できる限界を超えてしまっている」 

 “It’s a final result we’ll be appoint in the future. They will run out. It’s a question of when. It could be a road of no return.”
 「これらのデータの結論は、確実な将来予測です。海洋生物は底を尽きます。一体いつなのか。もう後戻りできないかもしれない。」 

 WE MUST DECIDE THE FUTURE OF OUR OCEANS 
海の将来を決めるのは私たちだ 

 “The sea belongs to us. So why don’t we claim it back?’
 「海は私たちのもの。だから、私たちの手で再生しなければならないのです」  

The End of the Line(飽食の海)





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