‘London Fashion Weekを終えて’ Mode et Mode 副編集長 山口八千代さんに伺う

今シーズン25周年の記念パーティーも開催されたLondon Fashion Week、不況の中でもShow must go on(ショーは続けなければ)のロンドンスピリットで艶やかに行われたファッションショーや展示会。毎シーズン取材に来られるファション専門誌モードエモードの山口八千代副編集長からコメントを頂く。

 

‘ロンドンがパリやミラノなどと違うところは若いデザイナーがデビューしやすいという事。スポンサーが付く為新人が育ちやすい。それだけファッションの新陳代謝が激しい。しかしこれには良し悪しもあり、突然未経験の新人デザイナーが脚光を浴びてしまうと反対にビジネスとして長続きさせる事へのプレッシャーが大きい。’

‘また街全体がLondon Fashion Weekの主催者とリンクしてプロモする模様は、パリやミラノではあまり見られない。メディアも含めた、一体感を感じさせるような演出には活気を感じさせるものがある。大きなデパートから小さなブティックまで皆でプロモートする感覚はすごい。’

 

‘最近の傾向として、他の有名ブランドやロック歌手などについて長年デザイン経験を積んできた、年齢、キャリアとも中堅のデザイナーたちがロンドンコレクションの核となっている。Giles Deacon, Todd Lynn, Nathan Jenden, Graeme Blackなどは、土台となる要素があるのでデザインも安定している。’

 

‘ロンドン、ミラノ、パリと周り、ショーだけでなく街を見る事も仕事のひとつ。ミラノは街自体が小さなうえ、中心エリアは高級ブランドの大型直営店が軒並み占めていて、ラグジュアリーだけどドメスティックで保守的なイメージ。一方パリは、ロンドン同様、国際観光都市でもあることから、百貨店、ブランド店、セレクトショップと大小の規模で小売がさかん。ただ、ファッションの都といわれる割には、ロンドンや東京のように現地の若い世代が街に繰り出して、ショッピングに夢中になったり、ストリートで互いにコーディネートを競い合ったりといった風景はめったに見られないのが不思議。パリもミラノも、自国で生まれた老舗ブランドの影響力が依然強い分、最新トレンドや海外のデザイナーに対する関心や情熱が薄いのかも。その点、ロンドン、東京ともにコレクションの世界的な注目度が低い分、海外のものを積極的に取り入れていると思う。ロンドンは小さなブティックも含め見て面白いお店が色々在るので街が面白い。東京では街に枠があり場所やお店によって買う人や年齢層が別れているけれど、ロンドンでは色々な世代の人が色々な所で買い物ができる、そんな街やお店の雰囲気が良い。ディスプレーもアーティスティックで、ヴィンテージなど洋服に歴史もあるので小売がお勉強になる場所。’

 

‘そしてロンドンはカルチャーが面白い。特に古い歴史とカッティングエッジの部分が美味くミックスされている。常にグラフィックが他の場所に比べ進んでいる。街の中にプリントが多く、ポスターにしてもアートにしてもグラフィックが綺麗。パリやミラノでは古いものが大事にされているけれど街中で新しさをあまり感じない。でもロンドンは新しいものを上手にミックスしていて、そうした部分はヨーロッパでも一番うまい。’

2009年2月24日 ロンドンにて
www.modeetmode.co.jp  www.londonfashionweek.co.uk





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プロフィール

Blueprint
高橋千佳子
Blueprint 代表
ロンドン在住(21年)
ロンドンのミドルセックス大学
(BA HONS DEGREEファッション・テキスタイル専攻)を卒業後、ドイツのデザイナーブランドStrenesseのイギリスエージェントでのアシスタント、革の服飾コレクションGavin Brown Ltdでのデザイナー、三越ロンドンの貿易部でのバイヤーアシスタントを経て、ブループリントにディレクターとして就職、1999年にイギリス人のオーナーがアメリカに移住する事をきっかけにオーナーとして仕事を引き継ぐ。
ブループリントではイギリスのファッション業界やライフスタイル・カルチャーの情報を100ページのビジュアルブックとして提供する事を始めとし、トレンドの先読み情報、バイヤーの買い付けサポート、リサーチ、ライセンスネゴ、貿易事務などを年間契約で行っている。

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