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2009年03月のアーカイブ


‘London Fashion Weekを終えて’ Mode et Mode 副編集長 山口八千代さんに伺う

今シーズン25周年の記念パーティーも開催されたLondon Fashion Week、不況の中でもShow must go on(ショーは続けなければ)のロンドンスピリットで艶やかに行われたファッションショーや展示会。毎シーズン取材に来られるファション専門誌モードエモードの山口八千代副編集長からコメントを頂く。

 

‘ロンドンがパリやミラノなどと違うところは若いデザイナーがデビューしやすいという事。スポンサーが付く為新人が育ちやすい。それだけファッションの新陳代謝が激しい。しかしこれには良し悪しもあり、突然未経験の新人デザイナーが脚光を浴びてしまうと反対にビジネスとして長続きさせる事へのプレッシャーが大きい。’

‘また街全体がLondon Fashion Weekの主催者とリンクしてプロモする模様は、パリやミラノではあまり見られない。メディアも含めた、一体感を感じさせるような演出には活気を感じさせるものがある。大きなデパートから小さなブティックまで皆でプロモートする感覚はすごい。’

 

‘最近の傾向として、他の有名ブランドやロック歌手などについて長年デザイン経験を積んできた、年齢、キャリアとも中堅のデザイナーたちがロンドンコレクションの核となっている。Giles Deacon, Todd Lynn, Nathan Jenden, Graeme Blackなどは、土台となる要素があるのでデザインも安定している。’

 

‘ロンドン、ミラノ、パリと周り、ショーだけでなく街を見る事も仕事のひとつ。ミラノは街自体が小さなうえ、中心エリアは高級ブランドの大型直営店が軒並み占めていて、ラグジュアリーだけどドメスティックで保守的なイメージ。一方パリは、ロンドン同様、国際観光都市でもあることから、百貨店、ブランド店、セレクトショップと大小の規模で小売がさかん。ただ、ファッションの都といわれる割には、ロンドンや東京のように現地の若い世代が街に繰り出して、ショッピングに夢中になったり、ストリートで互いにコーディネートを競い合ったりといった風景はめったに見られないのが不思議。パリもミラノも、自国で生まれた老舗ブランドの影響力が依然強い分、最新トレンドや海外のデザイナーに対する関心や情熱が薄いのかも。その点、ロンドン、東京ともにコレクションの世界的な注目度が低い分、海外のものを積極的に取り入れていると思う。ロンドンは小さなブティックも含め見て面白いお店が色々在るので街が面白い。東京では街に枠があり場所やお店によって買う人や年齢層が別れているけれど、ロンドンでは色々な世代の人が色々な所で買い物ができる、そんな街やお店の雰囲気が良い。ディスプレーもアーティスティックで、ヴィンテージなど洋服に歴史もあるので小売がお勉強になる場所。’

 

‘そしてロンドンはカルチャーが面白い。特に古い歴史とカッティングエッジの部分が美味くミックスされている。常にグラフィックが他の場所に比べ進んでいる。街の中にプリントが多く、ポスターにしてもアートにしてもグラフィックが綺麗。パリやミラノでは古いものが大事にされているけれど街中で新しさをあまり感じない。でもロンドンは新しいものを上手にミックスしていて、そうした部分はヨーロッパでも一番うまい。’

2009年2月24日 ロンドンにて
www.modeetmode.co.jp  www.londonfashionweek.co.uk



V&A出版からのスタイル百科

予算内で如何に上手にお洒落に着こなすかのノウハウを色々な角度から教えてくれる THE LITTLE DICTIONARY OF FASHION は、かの有名な今は亡きデザイナーChristian Dior(クリスチャン ディオール)が残した女性へのアドバイス・ヒントを寄せ集めて編集した本。シンプルさに視点を置き、グルーミング、良いテイスト、スカーフの巻き方、歩き方、色や襟の形、ウエディング・旅行・午後のお茶に着る服など、あらゆるエリアをカバーしたまさにファッション辞書ともいえる。イラストや写真も入ったハンドバッグサイズのブックは古き良きレディーの為の必須本。またレディースのパートナーとして欠かせないメンズのスタイルをアルファベット的に説明したABC OF MEN'S FASHION は背広の語源となったサビルロー通りにオーダーメードのお店を構えていた英国王室ご用達のやはり今は亡きドレスメーカーHardy Amies(ハーディー エーミス)による本で、ブレザーや革靴、スキーからビーチサンダルまで賢人からのアドバイスのようにメンズ服の全てをクリアした男性スタイルの事典。これらはどちらもロンドンの美術館Victoria and AlbertのV&A Publishingから新発売された本(英文字のみ)である。www.vandashop.com
 


デザイナーHussein Chalayan展

British Designer of The Yearに2度も輝くファッションデザイナー フセイン チャラヤンの作品は創造的な素材や画期的な技術を使いこなすオブジェアート的要素の非常に大きな服が多い。そんな彼の15年以上の作品の展示会がThe Design Museumで行われている。彼の仕事態勢はファッションという枠にのみ嵌まらず、服という作品を立体的なコンテンポラリーアートとして表現し、また作品の発表の場もファッションショーのみに留まらず映像における作品の展開や服とライトショーなども含まれている。常に新しく技術開発される人口素材を苦無く使いこなす彼の服は、実験的であると同時にその試み自体が未来的である為、展示会の情操はSF風でもある。中でも着たままの服がリモコンで作動され、形を変化していく様を撮影したファッションショーのVDが面白い。またこうした作品のインスピレーションとなったカルチャーやテーマなども見られる。展示会は5月10日まで。www.designmuseum.org
 



プロフィール

Blueprint
高橋千佳子
Blueprint 代表
ロンドン在住(21年)
ロンドンのミドルセックス大学
(BA HONS DEGREEファッション・テキスタイル専攻)を卒業後、ドイツのデザイナーブランドStrenesseのイギリスエージェントでのアシスタント、革の服飾コレクションGavin Brown Ltdでのデザイナー、三越ロンドンの貿易部でのバイヤーアシスタントを経て、ブループリントにディレクターとして就職、1999年にイギリス人のオーナーがアメリカに移住する事をきっかけにオーナーとして仕事を引き継ぐ。
ブループリントではイギリスのファッション業界やライフスタイル・カルチャーの情報を100ページのビジュアルブックとして提供する事を始めとし、トレンドの先読み情報、バイヤーの買い付けサポート、リサーチ、ライセンスネゴ、貿易事務などを年間契約で行っている。

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