Alexander McQueen

今日2月11日英国デザイナーAlexander McQueenが死亡したという報道が入り皆ショックが隠せない。才能が本当にあったデザイナーだけに非常に悔やまれる残念なニュースである。警察からの死因情報は自殺となっており、近しかった人々は先週亡くなった母の死をマックイーン本人が本当に悲しんでいたと語っている。16歳の時にオーダーメードスーツで有名な通りで背広の語源ともなったサビル ローにあるAnerson&Sheppardに弟子入りの権利を獲得して依頼服作りのプロとしての道を歩んだマックイーンの作品は常に斬新でオリジナリティーのある創造性豊かなコレクションであった。イギリスでは業界の数多くのデザイナーの中でもウエストウッドやガリアーノに続く金の卵とされていて、英国でのファッション最優秀賞の栄冠に4回も輝いている。またファッションショーでは常に驚きのあるまさに“SHOW”を多く展開しプレスの話題の元であった。マックイーンブランドは2008年にやっと黒字へと移転し順調なビジネスであると同時に来月に行われるParis Fashion Weekでの彼の春夏コレクションの発表を目前にしての事件なだけに業界のなぜという気持ちが大きい。マックイーンブランドの親会社であるPPRなど関係者はお悔やみの言葉以外の報道を控えている。アバンギャルドで常に流行の先端を生み出してきたデザイナーなだけに彼の死がファッションシーンへ与える波も大きいであろう。今週末から封切りになるLondon Fashion Weekではホメージとなる企画を急遽予定しようという動きが見られる。ジバンシーのコレクションも5年間手掛けていたマックイーンだが、マックイーンブランド設置当時は英国ファッション界のフーリガンというあだ名が付いていた。彼のそうした茶目っ気の由来にはテイラーのAnderson&Sheppardで修行中、チャールズ皇太子の背広も含め中素材として使われるキャンバスに何回か落書きのようなメッセージを書いて問題になった事などもある。オーダーメードジャケットの裏地を外すとマックイーンの隠されたメッセージが見られる背広がこの世に幾つも残されているはずである。彼の冥福を祈りたい。


Vogueファッションナイト9月10日イベント

9月10日にロンドンでも行われる一日特別ファッションイベントはスタイル誌VOGUEが世界的なイベントとして企画したもので、パリ、ニューヨーク、ミラノ、東京を始めロシア、スペイン、ブラジル、インド、ドイツ、台湾などで開催する。ショップナイトアウトと称された企画の内容はイギリスでは各デパート、デザイナーブティック、チェーン店など今の所160のブランドが参加を加盟。Libertyではオールナイト営業を行い、ソーホーにあるレストランBob Bobからの夜食提供やHermesによるスカーフの着こなし方・結び方を教えてくれる特設教室が設置される。またブティックBrownsではデザイナーGiles DeaconがDJとなり音楽パーティーを開催すると共に、若手デザイナーが売り子として販売促進を行う。TOPSHOPではシャンペンサービスとメイク・スタイリストによるVogue Shopを設置。Burberry本店ではデザイナーChristopher Baileyがモデルを使ってスタイルアドバイスをしてくれると同時にロンドンファッションウィークのファッションショーチケットの抽選が行われる。またファッションショップ以外にも夜間イベントとして高級ホテルClaridge's, Browns, The Dorchesterでカクテルや宿泊サービスが計画されている。‘ここ数ヶ月の販売パーセンテージが上昇する中でも不況の波を受け閉店し続けるファッションショップやブランドが絶えない。このイベントはこうした状況の中でも常にクリエイティブ精神を持ち続けるファッション産業へのホメージであると共に、一晩皆がスタイルを楽しむ事ができるパーティーであって欲しい。’とVogue編集長からコメントされている。

 

www.vogue.co.uk/fashionsnightout


‘London Fashion Weekを終えて’ Mode et Mode 副編集長 山口八千代さんに伺う

今シーズン25周年の記念パーティーも開催されたLondon Fashion Week、不況の中でもShow must go on(ショーは続けなければ)のロンドンスピリットで艶やかに行われたファッションショーや展示会。毎シーズン取材に来られるファション専門誌モードエモードの山口八千代副編集長からコメントを頂く。

 

‘ロンドンがパリやミラノなどと違うところは若いデザイナーがデビューしやすいという事。スポンサーが付く為新人が育ちやすい。それだけファッションの新陳代謝が激しい。しかしこれには良し悪しもあり、突然未経験の新人デザイナーが脚光を浴びてしまうと反対にビジネスとして長続きさせる事へのプレッシャーが大きい。’

‘また街全体がLondon Fashion Weekの主催者とリンクしてプロモする模様は、パリやミラノではあまり見られない。メディアも含めた、一体感を感じさせるような演出には活気を感じさせるものがある。大きなデパートから小さなブティックまで皆でプロモートする感覚はすごい。’

 

‘最近の傾向として、他の有名ブランドやロック歌手などについて長年デザイン経験を積んできた、年齢、キャリアとも中堅のデザイナーたちがロンドンコレクションの核となっている。Giles Deacon, Todd Lynn, Nathan Jenden, Graeme Blackなどは、土台となる要素があるのでデザインも安定している。’

 

‘ロンドン、ミラノ、パリと周り、ショーだけでなく街を見る事も仕事のひとつ。ミラノは街自体が小さなうえ、中心エリアは高級ブランドの大型直営店が軒並み占めていて、ラグジュアリーだけどドメスティックで保守的なイメージ。一方パリは、ロンドン同様、国際観光都市でもあることから、百貨店、ブランド店、セレクトショップと大小の規模で小売がさかん。ただ、ファッションの都といわれる割には、ロンドンや東京のように現地の若い世代が街に繰り出して、ショッピングに夢中になったり、ストリートで互いにコーディネートを競い合ったりといった風景はめったに見られないのが不思議。パリもミラノも、自国で生まれた老舗ブランドの影響力が依然強い分、最新トレンドや海外のデザイナーに対する関心や情熱が薄いのかも。その点、ロンドン、東京ともにコレクションの世界的な注目度が低い分、海外のものを積極的に取り入れていると思う。ロンドンは小さなブティックも含め見て面白いお店が色々在るので街が面白い。東京では街に枠があり場所やお店によって買う人や年齢層が別れているけれど、ロンドンでは色々な世代の人が色々な所で買い物ができる、そんな街やお店の雰囲気が良い。ディスプレーもアーティスティックで、ヴィンテージなど洋服に歴史もあるので小売がお勉強になる場所。’

 

‘そしてロンドンはカルチャーが面白い。特に古い歴史とカッティングエッジの部分が美味くミックスされている。常にグラフィックが他の場所に比べ進んでいる。街の中にプリントが多く、ポスターにしてもアートにしてもグラフィックが綺麗。パリやミラノでは古いものが大事にされているけれど街中で新しさをあまり感じない。でもロンドンは新しいものを上手にミックスしていて、そうした部分はヨーロッパでも一番うまい。’

2009年2月24日 ロンドンにて
www.modeetmode.co.jp  www.londonfashionweek.co.uk



V&A出版からのスタイル百科

予算内で如何に上手にお洒落に着こなすかのノウハウを色々な角度から教えてくれる THE LITTLE DICTIONARY OF FASHION は、かの有名な今は亡きデザイナーChristian Dior(クリスチャン ディオール)が残した女性へのアドバイス・ヒントを寄せ集めて編集した本。シンプルさに視点を置き、グルーミング、良いテイスト、スカーフの巻き方、歩き方、色や襟の形、ウエディング・旅行・午後のお茶に着る服など、あらゆるエリアをカバーしたまさにファッション辞書ともいえる。イラストや写真も入ったハンドバッグサイズのブックは古き良きレディーの為の必須本。またレディースのパートナーとして欠かせないメンズのスタイルをアルファベット的に説明したABC OF MEN'S FASHION は背広の語源となったサビルロー通りにオーダーメードのお店を構えていた英国王室ご用達のやはり今は亡きドレスメーカーHardy Amies(ハーディー エーミス)による本で、ブレザーや革靴、スキーからビーチサンダルまで賢人からのアドバイスのようにメンズ服の全てをクリアした男性スタイルの事典。これらはどちらもロンドンの美術館Victoria and AlbertのV&A Publishingから新発売された本(英文字のみ)である。www.vandashop.com
 


デザイナーHussein Chalayan展

British Designer of The Yearに2度も輝くファッションデザイナー フセイン チャラヤンの作品は創造的な素材や画期的な技術を使いこなすオブジェアート的要素の非常に大きな服が多い。そんな彼の15年以上の作品の展示会がThe Design Museumで行われている。彼の仕事態勢はファッションという枠にのみ嵌まらず、服という作品を立体的なコンテンポラリーアートとして表現し、また作品の発表の場もファッションショーのみに留まらず映像における作品の展開や服とライトショーなども含まれている。常に新しく技術開発される人口素材を苦無く使いこなす彼の服は、実験的であると同時にその試み自体が未来的である為、展示会の情操はSF風でもある。中でも着たままの服がリモコンで作動され、形を変化していく様を撮影したファッションショーのVDが面白い。またこうした作品のインスピレーションとなったカルチャーやテーマなども見られる。展示会は5月10日まで。www.designmuseum.org
 


ビンテージ好きなあなたへの本

ビンテージの事が好きな人の為の聖書"Very Vintage, The Guide to Vintage Patterns and Clothing”というタイトルの本がイギリスで出版された。歴史的なファッションと近代のモダンなファッションに見られる2つの視点からのビンテージで、1930年の女性らしさから60年代のミニの発足などイラスト、服の型紙、写真など70年間のファッションとビンテージが与える現在への服への影響が190ページに見られる。また其々のページにはどのような形が自分に合うか、どのように今風にするかなどのアドバイスが付いている。ファッションクレイジーなあなたへのクリスマスプレゼントに。。発行元はBlack Dog編集社、価格は£24.95(英文字のみ)。 www.blackdogonline.com
 


Bill Gibb - Moment in Time

ロンドンの南東BermondseyにあるFashion and Textile Museumで行われている特別イベント。1970年代のイギリスファッション界に貢献した有名デザイナーBill Gibbのファンタジーワールドが展示されている。エリザベステイラーやトゥイギー、ビアンカジャガーなどもファンであった彼の服は妖精のようなスタイルで70年代のルネッサンス革命的な存在である。プリント柄、刺繍、ビーズワーク、そして素材を紙に見立てて作られたクチュール的なドレスなど写真を含めて60点の作品が1月18日まで展示されている。
www.ftmlondon.org
 


Westfieldショッピングセンターオープン

ヨーロッパ首都では最大規模のショッピングセンターがロンドンの西部Shepherd's Bush/White Cityに10月30日オープン。265店舗のファッション・ライフスタイルショップ、40店のカフェ・レストラン、14のスクリーンを持つシネマ、ヘルスクラブ、4500台停められる駐車場などが在りロンドンを沸かせている。オープンニング当日は市長と有名人も集まりイベント的な行事が行われ、初日は16万人、4日間で50万人の人がセンターを訪れたと報道された。またこのショッピングセンター特有のThe Villageと呼ばれるセクションではGucciやLouis Vuittonなど40店の高級ブランドブティック街もある。イギリス市場の不景気がささやかれる中、反対にセンター内でのショップの内装にお金をかけて良いイメージのショップ作りを試みるブランドが多い。 www.westfield.com - London Shopping Centre
 


プロフィール

Blueprint
高橋千佳子
Blueprint 代表
ロンドン在住(21年)
ロンドンのミドルセックス大学
(BA HONS DEGREEファッション・テキスタイル専攻)を卒業後、ドイツのデザイナーブランドStrenesseのイギリスエージェントでのアシスタント、革の服飾コレクションGavin Brown Ltdでのデザイナー、三越ロンドンの貿易部でのバイヤーアシスタントを経て、ブループリントにディレクターとして就職、1999年にイギリス人のオーナーがアメリカに移住する事をきっかけにオーナーとして仕事を引き継ぐ。
ブループリントではイギリスのファッション業界やライフスタイル・カルチャーの情報を100ページのビジュアルブックとして提供する事を始めとし、トレンドの先読み情報、バイヤーの買い付けサポート、リサーチ、ライセンスネゴ、貿易事務などを年間契約で行っている。

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