ファッションのコモディティ化
ファッションのコモディティ化が、いやおうもなく進んでいる。今、ファッションは、わざわざ都心に出て、いくつかのお気に入りの店舗を回遊し、悩み悩み楽しみながら買うものでは、なくなってしまった。
最近、開店したショッピングセンター「越谷レイクタウンモール」には500店舗近くのアパレル専門店が集積している。どの店もトレンドをそれなりに押さえ、価格も低価格、ふらふら散歩がてらに気軽に買える「敷居の低さ」が特徴だ。
そうした店舗のほとんどがSPA業態である。専門商社と組んで、売れ筋をタイムリーに店頭に並べ、売れ行きが悪ければさっさと値引きして消化する。その繰り返しで店舗が運営される。数年前、そうしたSPA大手のサンプル商品をチェックする仕事をデザイナーと組んで行った。あの上代(ほとんどが5000円程度)では、しょうがないのかもしれないが、われわれのチームがとても納得できるパターン・品質・デザインではなかった。
ヨットパーカーのフードが頭の中間までしかないのである。
石津謙介先生の薫陶を間接的にではあるが、受けまくった私とデザイナーは、なんと言っていいか、わからず、閉口してしまった。
すべてとは言わないが、大型ショッピングセンターの多くの店舗がそうした製品を扱っている可能性が高い。トレンドを押さえさえすれば、「何でもあり」というものづくりは、ショッピングセンターSPAだけではない。若者(ギャル系)に圧倒的な支持を受けるファッションビルの商品をチェックしてみても「こんなことしていいの」レベルのおきて破りのコピー商品と低品質の商品が並び、一部の若者が先端のファッションとして買っている。
ライフスタイルの中でのファッションプライオリティの低下がこの絶大な不況のなかで進むのは間違いない。それに伴いさらに低価格化と低品質化がすすむのであろうか。
私が敬愛してやまない「コムデギャルソン」が「H&M」とコラボレーションした。その商品のほとんどすべてが、良し悪しはともかくとして、「メードインチャイナ」であるそうだ。「H&M」で働く知り合いの韓国人の女性がこっそり「コムデギャルソンのネームをとったら半額です」と教えてくれた。
やはり、私は、多少無理しても、ファッションのコモディティ化に抵抗していこう、とひっそり誓うのであった。